骨のある部屋

@honebeya206

嗅覚とラット

 現在、「嗅覚はどう進化してきたか 生き物たちの匂いの世界(新村芳向著)」の本を読んでいる。これまで嗅覚に興味を持つことはなかったのに、図書館でこの本を借りたのは、死臭に囲まれて生活している私の嗅覚について気になっていたからだと思う。

 今回紹介したいのはヒトの嗅覚についてではなく、ラットの嗅覚について紹介したい。本を読むと記憶に残る点が出てくる。それが今回はラットについてだった。

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 本を読み進めていくと動物がもつ嗅覚受容体遺伝子数を比較したグラフがp77にまとめられている。

 そこには一部を抜粋して書くと「ヒト:398」、「イヌ:811」、「ミンククジラ:60」、「アフリカゾウ:1948」、「ラット:1207」とあった。私はイヌを基準に考えて、「ヒトはイヌよりも嗅覚受容体が少ないのはわかる。ミンククジラは水中で生活しているから臭いでコミュニケーションをとっていないだろうからわかる。ゾウは音に敏感だし様々な方法でコミュニケーションをとっていそうだから納得。ラットはイヌよりも小さいのにそんなに嗅覚が良いの!?そこまで臭いがコミュニケーションに重要なの!?」と衝撃を受けた。

 

 思い返せば数年前、よく地雷や戦争についてのメディアに触れることが多く、テレビ番組か私立高校のポスター発表かどちらかで「地雷を除去するラット」を紹介していた。「ラットは嗅覚が鋭く、体重が軽いから地雷を除去するのに適している」と言っていたのを思い出した。以下に載せる記事にラットの力を利用した地雷除去について詳しく書いてあるので見てほしい。

https://www.borderless-japan.com/magazine/socialbusinesslabo/7023/

 

 地雷除去の記事にもあるようにラットは賢い。Youtubeに芸をするラットの動画があった。見入ってしまうほど本当に賢い。そして可愛い。ちなみにネコだって教えれば「お手」をする。芸をするのはイヌだけではない。

 

www.youtube.com

 

 ラットは実験動物として広まっているので、その能力について幅広く研究されるので、ヒーローや賢い動物として能力が過小評価されることがなくなってきているように思う。しかし、他の動物だって人間が知らないだけで隠れた能力を持っているかもしれない。「~はこうだ」と決めつけるのではなく、広い視野を持って動物を見たい。