骨のある部屋

@honebeya206

ハシボソガラスが届いた

先日、クール便でハシボソガラスが届きました。見た目はキレイな亡骸だったので、羽と骨の両方を残せることに嬉しく思いながら解凍し再度状態を確認したら、なんと腐敗が進んでいました。顔を触ると簡単に羽が抜け、お腹の皮膚を切開すると皮膚の色が緑色。緑色の皮膚は完全に腐っています。それでも完全に乾燥させて保存しようと、いつもの様に骨と皮を分離し、綿を摘めて縫い合わせて形を整え乾燥させていましたが、乾燥させるにつれ臭いが酷くなる。臭い、ひたすら臭い。結局、羽をむしって羽だけ残すことにしました。カラスの剥製擬き作れると思ったのになぁ。
f:id:honebeya206:20190715081326j:plain

このカラスは内出血が酷く大腿骨や上腕骨が折れていました。骨が折れたことが死因なのか、他の原因なのかは分かりませんが野生動物の死体は見た目がキレイでも骨が折れていることもあり、骨がキレイに完全に揃っている標本を作るのは難しいです。

臭いがする作業は外でやっているので、今回はカラスに怯えながらの作業でした。カラスが見学しにきたら「危ない奴」と認識されて日常的に攻撃されたらたまったもんじゃない。作業中にカラスが上空を通りすぎることはありましたが、幸いにもまだ攻撃されてないのでバレてないことにホッとしています。

「カラスの肉は黒い」と耳にしたことがあるのですが、実際は普通の鶏肉でした。種類とかカラスの年齢とか関係しているのか分かりませんが、鶏肉に混ぜても分からない色でした。
f:id:honebeya206:20190715082824j:plain
ついでに胃の中も確認したところ、麦のような種がぎっしり胃に詰まりそれに埋もれて、梅干しの種のような大きな種が一つ、甲虫が一匹、プラスチックの小さな破片が二つ入ってました。
ハシボソガラスは植物食が強い鳥なので胃を見ても納得です。プラスチックはどうして飲み込んでしまったのでしょうか。青いプラスチックだったのでつついてみたくなったのかなぁ。

コウモリの仮剥製

先日、博物館で開催された標本作成勉強会に参加してきました。

今回解剖したのはアブラコウモリという人家によく住み着く小さなコウモリです。「えっ?こんなところに?」と思う場所でも飛んでる身近にいるコウモリで、大きさは翼を広げると画面が大きめなスマートフォンくらいで、体はお札の縦幅くらい小さな動物です。


標本にする前に計測が必要なので、ノギスを使って計りました。イタチやアカネズミ等も同じように計測していくのですが、この時にコウモリらしい特徴を実感。後ろ脚の指がコウモリはどうしても真っ直ぐにならない。普通、四つ足で歩いて指のある動物は死んで冷凍しても、解凍してマッサージしてあげると指が真っ直ぐになります。でもコウモリはいくらマッサージしても指が曲がったまま。これはきっと、コウモリの生活がこうさせているのだと思いました。

コウモリは岩などにぶら下がって休憩したり眠ったりします。その時に余計な力を入れないよう、楽にぶら下がれるように爪がフック状になったり、筋肉の機能がぶら下がるのに適したようになってるそうです(鳥が寝る時に落ちないように筋肉が勝手に収縮するのと同じと考えていただきたい)。なので、コウモリにとって曲がった指は曲がった指ではなく、これが普通なのでしょう。コウモリの指の話は本で読んでいたので既に知っていましたが、ここまで指が真っ直ぐにならないことを目の前で知れることが標本作りの面白さだと、新しいことに気がつく度に思います。

計測が終わったら、いつものように皮を剥いていきます。お腹に縦に線を入れて、上腕と胴体、大腿骨と胴体を切り離します。尻尾の皮も剥くのですが、ネズミと違ってとても大変でした。コウモリの尻尾は皮と骨を分離しようとすると、皮が骨についてきてしまい、靴下を勢いよく脱ぐと靴下が裏返ってついてくるのと同じように、皮が裏返ってしまうのです。楊枝よりも細い尻尾の皮を元に戻すのにとても時間がかかり大変。しかし、諦めてしまうと不恰好なコウモリになってしまうし、尻尾と後ろ脚に尾膜という飛ぶための膜があるので、尻尾を真っ直ぐにしないと尾膜が尻尾に引き込まれてハート型になってしまう。諦めずピンセットで元に戻してあげるのに20~30分かかりました。

全ての皮が剥げたら今度は綿詰めをします。尻尾は針金を通すのですが、この針金が中々入っていかない。元々尻尾が細いので太い針金は使えず、細い針金はすぐ曲がるので、ちょっと押しただけでもう入らない。剥いた皮はペッタンコになってるので、それを華奢な針金で押し通すのが本当に大変。力任せにやると、針金が曲がるか皮に穴が開きます。穴が一度開いてしまうと、針金が何度もそこから顔を出すことになり余計にイライラする。この針金通しだけに40分はかかったのではないでしょうか。もう当分やりたくない。

針金通しが終わったら針金を抜かないように、綿を詰めて縫って、段ボールに針でコウモリを張り付けて形を整えて乾燥させます。
下の写真が私が作ったコウモリですが、無理に飛膜を広げすぎて体が歪んでます。この時は計測から完成まで3時間半くらいかかりました。自宅にアルコール浸けになったコウモリがいるので、仮剥製にしたいなと考えていたのですが、気が引けてます。どうしようかな‥。
f:id:honebeya206:20190627083649j:plain

デザフェスの報告と展示・販売の説明

【デザフェスが終わって】
デザフェスが終わってだいぶ日が経ち、私の具合はよくなりました。やっと。5/13頃に体調を崩し、処方された薬を飲み、5/17に「喉の痛みもないし大丈夫!」と思っていたところ、デザフェス初日に喋りすぎたために、翌日から声が出なくなり、それが5/25まで続いてました。
f:id:honebeya206:20190605202348j:plain
ぐったりしてても、話を聞いて下さった片付け、骨を購入して下さった方が多くいらっしゃり、楽しい2日間を過ごせました。(欲を言えば元気な状態でいたかったですが)


【頭骨の展示】
この展示は、私の「タヌキは何故タヌキと分かるのだろう?」、「幼獣は何故そうと分かるのだろう?」という疑問から生まれました。
f:id:honebeya206:20190605202553j:plain
「タヌキは鼻先がほっそりしてるなぁ」、「ラットやモルモットは後頭部が四角いなぁ」、「幼獣の下顎に歯が埋まってるのは乳歯かなぁ」そんな感想を持っていただけるように話をしたかったのですが、声が出ずに説明できませんでした。


【骨取りの簡単な説明】
これは自衛のために作りました。過去にTwitterで「「頭骨だけでこんなにするの?」と言われて傷ついた。」という投稿を見かけて作りました。
f:id:honebeya206:20190605232856j:plain
「こんなに大変なんだぞ!」という強い主張を目指すのではなく、読んでもらえるように、興味をもってもらえるように、とても簡単に書きました。
普段はとてもネットに載せられないような、汚い臭い光景の中で骨取りをしています。現在、本郷三丁目東京大学で開催されている「家畜展」で「ウマ頭骨標本作製」の動画が流れています。その動画に映る茶色く濁る水を観ていただけると、汚さが少しだけお分かりいただけるかと思います。茹でた頭骨の洗浄はモワッとした熱気と臭いが慣れるまでは大変です。臭いに慣れてもあの熱気で顔がベタベタするのには慣れません。


【販売した骨について】
私が作る骨のほとんどは皆口が開いてます。それは歯を見てほしいからです(鳥類も口が開いているのは私の癖です)。歯を観察してほしいのなら、頭骨のみで販売するのが一番かとは思いますが、胴体もある個体は頭骨のみにしてしまうのが勿体無く感じているので、全身骨格にしています。
スズメの骨と羽を残したのは、羽の色が一枚一色ではないことに気がつき、それを知ってほしくて骨と羽を残しました。スズメの羽をよく観察すると一枚の羽が三色に染まっていたりします。また不思議なのが翼全体を背面から見ると茶色なのに、腹面から見ると翼全体が白っぽく見えます。生きてるスズメをここまで観察することは難しいですが、骨にしたからこそできる観察です。



私はインテリアとしての骨にも興味はありますが、野生動物について少し勉強したので骨をインテリアとしてだけではなく、生き物を知る手掛かりとして見てほしい。そんな想いが強いです。
ただ、「勉強」を強く押し出すとつまらなくなってしまうので、「骨って綺麗だなぁ」と長く観察してもらえるような、そんな骨作りが良いのかなと感じたので、次回は最終的なゴールを変えてみる予定です。

デザインフェスタvol49

あともう少しでデザインフェスタが開催されます。そこで販売する骨の一部を紹介します。

f:id:honebeya206:20190508121055j:plain
これはアヒルの頭骨です。これが立体になるようには見えにくいですよね。でも組み立てていくと頭になります。この頭骨を販売しますが、ただ組み立てて販売するわけではありません。組上がった頭骨とバラバラの頭骨をセットにして販売します。

バラバラになった骨を前にすると「どこの部分だろう?」とじっくり眺めてしまいます。私も最初は骨がどこの骨かわからず、特徴もつかめず、眺めたままで組み立てることが出来ない時もありました。今は不思議とあれだけ悩んでいた骨もどこの骨か分かるようになります。

バラバラになった骨をご自身で組み立ててほしいのです。何も見ずに組み立てるのはとても大変なので、組上がった頭骨と一緒にします。
よく観察することは以外と大変なので、挑戦してみませんか?






インスタグラムを始めました。骨の画像だけ見たい方にオススメです。
https://www.instagram.com/honebeya206

大哺乳類展2に行って(これで4回目)

まだ開催中の大哺乳類展2(以下、企画展)について今回は以下のことについて書きます。

1.剥製をどう見るか
2.ラマの骨格について
4.膨大な歯の標本について
5.4/26のギャラリートークの内容のまとめ


【剥製をどう見るか】
私は元々皮に興味がありませんでした。興味がない理由ははっきり覚えていませんが、皮から何が分かるのかが分からないから興味がなかったんだと思います。企画展の膨大な量の剥製を正直どう見たら良いか分かりません。ですが、きっとこうやって見たらいいのだろうという考えはあります。
f:id:honebeya206:20190430200835j:plain


企画展の入り口にあるゾウの骨格には、あの特徴的な鼻がないです。鼻があった場所の大きな穴を昔の人は目だと勘違いしたそうです。骨になってしまうと元の形や色が分かりません。ゾウの形や色を私達は知っていますが、マルミミゾウの耳や鼻先の形が、アフリカゾウと違うかそうでないかは想像できませんよね?今は写真などの資料で確認できますが、化石として出てきた動物はどうでしょう?もしかしたら、ゾウの鼻のように私達が勘違いしている姿を想像しているかもしれないし、同じ種の化石でも発掘した地域によっては、生前の見た目が違うかもしれない。最近の恐竜に羽毛が付け加えられたように、皮がなくなってしまうと失われる情報がとても多い。


コウモリの剥製を見た時に「尾膜」という尻尾と後ろ足の間にある膜に目がいった。
f:id:honebeya206:20190430201049j:plain
骨にするときに除去してしまう部分なので、ふと「骨に肉付けするとしたら、この尾膜は描かれることはないかもしれない」と思った。企画展でもコウモリの剥製が展示されているが、私が想像する尾膜とは違う尾膜をもつコウモリもいた。
f:id:honebeya206:20190430201219j:plain
(尾膜はどこに・・・?)

企画展では同じ動物の剥製と全身骨格がセットになって展示されている標本もあるので、骨を見た時に生きた姿を想像して、剥製を見てどこまで再現できたか想像して遊んでみるのも面白いと思う。
f:id:honebeya206:20190430201506j:plain
(骨格を見ただけで生きた姿を正確に復元できる気がしない、ハリモグラ。骨格の組み方で姿勢はいくらでも変えられるので、化石の全身骨格も正確な組み方になっているとは言い切れない。)


【ラマの骨格】
ラマの骨格解説パネルに「足根骨が逆Y字になっている」と書いてあった。「分かりにくい」と評判だった。
f:id:honebeya206:20190430201936j:plain
4つの長い骨が足根骨。この骨の指側に切れ込みがあることを指していた。

良い写真が撮れず見えにくいが、キョンの骨格では逆Y字は観察されない。
f:id:honebeya206:20190430202224j:plain

【膨大な歯の標本について】
剥製の行列を抜けると次は歯の行列が待っている。ここの展示は動物が何を食べるかによって歯の形が違うことを見てほしいようだった。
f:id:honebeya206:20190430202654j:plain

肉を食べる歯は鋭利で…
f:id:honebeya206:20190430202916j:plain
草を食べる歯は鋭利な臼
f:id:honebeya206:20190430202530j:plain

特殊な歯として紹介されていたのが、チスイコウモリ。鋭利な歯は血を吸うために相手を傷つけるためのもので、あとは舐めとるだけなので他の歯がない。写真に撮るのが難しいくらい小さい頭骨だった。

マナティージュゴンは海藻を食べているようなので、陸上の草食獣と同じように臼に似た歯だった。
f:id:honebeya206:20190430203149j:plain
ニシインドマナティーの歯

f:id:honebeya206:20190430203308j:plain
ジュゴンの歯


ゾウの標本の歯が窮屈そうに頭骨に収まっているのが、観察できると思う。ゾウの歯は「水平交換」という方法で歯が生え変わる。人間は下から上に押し上げて歯が交換されるのに対して、ゾウは奥から元々あった歯を押し出すように生え変わる。6回も生え変わるらしい。どこにそんな歯が収まっているのだろう?

交換中?
f:id:honebeya206:20190430203435j:plain

こちらは交換し終えたのかな?
f:id:honebeya206:20190430203555j:plain

【4/26のギャラリートークの内容のまとめ】
・鯨類の舌骨について
吸引型の摂餌方法をとるクジラは舌を使って口の中の圧を変え勢いよく吸い込むために、舌骨が発達している。クジラ以外の哺乳類は舌をクジラのようには使わないために、舌骨がそれほど発達しないため軟骨が多く、軟骨が多いがために標本として残しにくいそうだ。
f:id:honebeya206:20190430203650j:plain

・クジラの胸鰭
体サイズに対して胸鰭が大きい種類(シャチ)は小回りが効く泳ぎ方ができる。

・胃について
「複胃」と呼ぶが、胃が複数あるわけではなく、一つの胃の中に部屋がいくつかあるから複胃。キリンは胃の中で植物を分解し、カピバラは腸で分解する。植物から栄養を得るために、動物たちは微生物を利用している。

・親と子どもの体色の違い
子どもは隠れるための色をしていて、例えばシカでは木漏れ日を表現している。アザラシの子どもの毛色は育つ場所が氷上か岩場なのかで毛色が変わる。

羽根の生えてる場所

先日、ヒヨドリ(桜を食べる灰色の鳥)が届きました。いつもの様に皮膚が腐る前に剥いで乾燥させました。その乾燥途中で不安になることが・・・。


f:id:honebeya206:20190411201729j:plain
なんだか物凄く禿げてる。今回は皮剥ぎ中に羽が1枚も抜けていないし、洗ってる時も抜けていないのに何故か禿げている。


「濡れてるから禿げてるだけだよね」と自分に言い聞かせながらドライヤーで乾燥させる。


f:id:honebeya206:20190411202034j:plain
少し地肌が見えなくなった。

f:id:honebeya206:20190411202137j:plain
もっと見えなくなった。禿げを作らなかったことに安心。

鳥の羽根はヒトの髪の毛の様に均一に生えているのかと思っていた。
キジバトツツドリを濡らして乾燥させた時は気にならなかったのは、種によって違いがあるからなのでしょうか?

f:id:honebeya206:20190411202725j:plain
完全に乾燥するまで針で固定してます。もうフワフワの羽根になりました。

大哺乳類展2 2回目

昨日は家族と大哺乳類展2に行ってきました。今回は解説パネルで説明されていない骨を中心に書いていきます。

 

 

 

骨格標本についていたり、なかったりする骨】

骨格標本を思い浮かべると頭・脊椎・腕・脚の骨を想像するでしょう。しかし、それらの骨以外に骨はあります。今回確認できた骨は舌骨・陰茎骨・血管弓骨です。

 

「舌骨」

舌骨とは舌や咽頭喉頭の基部をつくる骨でほとんどの脊椎動物にはあるはず。形は哺乳類ではXのような見た目をしています。舌骨がついていない骨格標本は多くみられるので、付いていると貴重なものを見た気持ちになります。

 

f:id:honebeya206:20190408091105j:plain

顎の後ろについてる逆Cの字の骨がムササビの舌骨。

 

f:id:honebeya206:20190408091353j:plain

こちらはセイウチの舌骨。

 

確認できたのは2個体分だけでした。

f:id:honebeya206:20190408091701j:plainこちらは舌骨がついていないドール(見た目は大きなキツネをした動物)の骨格標本です。舌骨がないとスッキリした印象。

*このドールの頭骨天辺付近にある横に入った黒い線は、脳を取り出すのに骨を切断した痕だと思われます。他の動物にもあったりなかったり・・・。

 

「陰茎骨」

亀頭内部にある骨でヒトや一部の動物を除いて雄が持つ骨。ヒトは特定の病気になると骨が形成されると「動物のおちんちん学(浅利昌男著 緑書房)」に書いてありました。陰茎骨は形が種ごとに違うので種の同定にも用いられるそう。陰茎骨のコーナーは第一会場の最後「産む、育てる」にありますが、骨格標本にもついていて、4個体分の陰茎骨を確認できました。

 

f:id:honebeya206:20190408093209j:plain

ショウガラゴの陰茎骨(意外と長い!)

 

f:id:honebeya206:20190408095336j:plain

 骨盤からニョロっと出て後ろ足に隠れているのがニホンテンの陰茎骨。

 

f:id:honebeya206:20190408095528j:plain

 ラッコの陰茎骨

 

f:id:honebeya206:20190408095637j:plain

こちらはセイウチ。ラッコの陰茎骨と比較すると形の違いがよく分かる。

「産む、育てる」コーナーにも9種の陰茎骨があるので形の違いを比較してみて下さい。

 

「血管弓骨」

尾椎にある骨で、血管弓自体が「椎体腹側を走る大動脈を囲む(「家畜比較解剖図説上巻」加藤・山内共著 養賢堂)」役割を持つよう。家畜比較解剖図説上巻には「反芻類や食肉類に血管弓の残りが見られ、これが突起状に現れる」と書いてあった。

骨格標本を観察すると尾椎の一部に尖った骨が見られた。

f:id:honebeya206:20190408100922j:plain

 ライオンの血管弓骨

 

f:id:honebeya206:20190408101040j:plain

ニホンテンの血管弓骨?

 

f:id:honebeya206:20190408101218j:plain

カンガルーの仲間にも突起があった。これは血管弓骨と同じと言っていいのかわからない。カンガルーの尾は第五の脚と言われているので、鯨類のV字骨(尾を動かす筋肉を支える)と同じ役割をしているのでは?と思っているからです。

カンガルーの尾は第5の“脚” | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

有袋類には前恥骨という育児嚢を支える骨もあります。

標本は語る (参考「第2部 展示解説 動物界 哺乳類の多様性と標本から読み取ること」)

 

 

 

骨の基本的なパーツを頭に入れて標本を作ると思いますが、体の中には細かい骨がいっぱいある。耳の中にある耳小骨や指と指の間にある種子骨など小さな骨がたくさんある。

私はメスには陰茎骨のようなものはないとばかり思っていたが、「陰核骨が存在する」とキリンの8番目の首の骨を発見された郡司芽久さんがおっしゃっており、その研究論文が紹介されていたので、ここでも紹介します。

The baubellum is more developmentally and evolutionarily labile than the baculum

 

 

【鯨類の骨盤骨やマッコウクジラの歯、V字骨

 

「骨盤(寛骨)」

 鯨類には後ろ脚の痕跡の骨盤が筋肉中に埋まっています。なので鯨類の骨を見る前までに見てきた動物達の後ろ脚と違って、骨と骨とで関節していません。

f:id:honebeya206:20190408180011j:plain

写真がブレブレですが、半身になったマッコウクジラの骨盤が鉄でぶら下げられています。他の鯨類にも骨盤がついています。決して「どこにつければ良いのか分からない骨」ではありません。

*鯨類の骨盤を専門に研究している方の論文が出てきたので、URLを載せます。簡単に骨盤について説明してあるので参考にしてほしいです。

www.jstage.jst.go.jp

 

マッコウクジラの歯」

マッコウクジラは下顎にしか歯がないのだとばかり思っていましたが、上顎にもあるようで、下顎の歯とは違い丸まっているので寄生虫のようでした。でも、歯です。

f:id:honebeya206:20190408181308j:plain

何故丸まっているのでしょう・・・?不思議。

 

「V字骨」

ずっと陸性哺乳類の骨を見ていたのでV字骨という骨があることが衝撃でした。尾を動かす筋肉をつけるのに重要な骨だそうです。

f:id:honebeya206:20190408181839j:plain

下に出っ張っているのがV字骨。これがあるところから尾椎になります。そして尾椎の始まり付近に骨盤があります(写真右下で見切れている骨)。

 

一般社団法人小笠原ホエールウォッチング協会さんの記事で鯨類の骨について簡単に紹介されているので載せておきます。

http://www.owa1989.com/admin/wp-content/uploads/047.pdf

 

 

今回は見逃しがちな骨について書きましたが、次行った報告は詳細な説明を書けたらなと考えています。

会場内は混雑しているので標本を見るので疲れてしまうので、音声ガイドを聞くか、図録を購入して時間がある時に内容を把握することをオススメします。

 

【最後に】

ブログを書くのに調べながら書いています。クジラについて検索していたら、鎌倉で打ちあがったシロナガスクジラについての報告を発見したので共有したいです。

http://nh.kanagawa-museum.jp/files/data/pdf/tobira/24-4/tobira93_3taru.pdf

「自然科学のとびら」は神奈川県立生命の星・地球博物館の「研究活動・資料」から過去のものまで閲覧できるので、興味ある方はこちらもご覧になってください。

神奈川県立生命の星・地球博物館

 

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

【宣伝】

デザインフェスタvol.49 5/18(土)、5/19(日)出展。場所:F-122

骨のある部屋@デザフェス両日F122 (@honebeya206) | Twitter

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------