骨のある部屋

@honebeya206

羽根の生えてる場所

先日、ヒヨドリ(桜を食べる灰色の鳥)が届きました。いつもの様に皮膚が腐る前に剥いで乾燥させました。その乾燥途中で不安になることが・・・。


f:id:honebeya206:20190411201729j:plain
なんだか物凄く禿げてる。今回は皮剥ぎ中に羽が1枚も抜けていないし、洗ってる時も抜けていないのに何故か禿げている。


「濡れてるから禿げてるだけだよね」と自分に言い聞かせながらドライヤーで乾燥させる。


f:id:honebeya206:20190411202034j:plain
少し地肌が見えなくなった。

f:id:honebeya206:20190411202137j:plain
もっと見えなくなった。禿げを作らなかったことに安心。

鳥の羽根はヒトの髪の毛の様に均一に生えているのかと思っていた。
キジバトツツドリを濡らして乾燥させた時は気にならなかったのは、種によって違いがあるからなのでしょうか?

f:id:honebeya206:20190411202725j:plain
完全に乾燥するまで針で固定してます。もうフワフワの羽根になりました。

大哺乳類展2 2回目

昨日は家族と大哺乳類展2に行ってきました。今回は解説パネルで説明されていない骨を中心に書いていきます。

 

 

 

骨格標本についていたり、なかったりする骨】

骨格標本を思い浮かべると頭・脊椎・腕・脚の骨を想像するでしょう。しかし、それらの骨以外に骨はあります。今回確認できた骨は舌骨・陰茎骨・血管弓骨です。

 

「舌骨」

舌骨とは舌や咽頭喉頭の基部をつくる骨でほとんどの脊椎動物にはあるはず。形は哺乳類ではXのような見た目をしています。舌骨がついていない骨格標本は多くみられるので、付いていると貴重なものを見た気持ちになります。

 

f:id:honebeya206:20190408091105j:plain

顎の後ろについてる逆Cの字の骨がムササビの舌骨。

 

f:id:honebeya206:20190408091353j:plain

こちらはセイウチの舌骨。

 

確認できたのは2個体分だけでした。

f:id:honebeya206:20190408091701j:plainこちらは舌骨がついていないドール(見た目は大きなキツネをした動物)の骨格標本です。舌骨がないとスッキリした印象。

*このドールの頭骨天辺付近にある横に入った黒い線は、脳を取り出すのに骨を切断した痕だと思われます。他の動物にもあったりなかったり・・・。

 

「陰茎骨」

亀頭内部にある骨でヒトや一部の動物を除いて雄が持つ骨。ヒトは特定の病気になると骨が形成されると「動物のおちんちん学(浅利昌男著 緑書房)」に書いてありました。陰茎骨は形が種ごとに違うので種の同定にも用いられるそう。陰茎骨のコーナーは第一会場の最後「産む、育てる」にありますが、骨格標本にもついていて、4個体分の陰茎骨を確認できました。

 

f:id:honebeya206:20190408093209j:plain

ショウガラゴの陰茎骨(意外と長い!)

 

f:id:honebeya206:20190408095336j:plain

 骨盤からニョロっと出て後ろ足に隠れているのがニホンテンの陰茎骨。

 

f:id:honebeya206:20190408095528j:plain

 ラッコの陰茎骨

 

f:id:honebeya206:20190408095637j:plain

こちらはセイウチ。ラッコの陰茎骨と比較すると形の違いがよく分かる。

「産む、育てる」コーナーにも9種の陰茎骨があるので形の違いを比較してみて下さい。

 

「血管弓骨」

尾椎にある骨で、血管弓自体が「椎体腹側を走る大動脈を囲む(「家畜比較解剖図説上巻」加藤・山内共著 養賢堂)」役割を持つよう。家畜比較解剖図説上巻には「反芻類や食肉類に血管弓の残りが見られ、これが突起状に現れる」と書いてあった。

骨格標本を観察すると尾椎の一部に尖った骨が見られた。

f:id:honebeya206:20190408100922j:plain

 ライオンの血管弓骨

 

f:id:honebeya206:20190408101040j:plain

ニホンテンの血管弓骨?

 

f:id:honebeya206:20190408101218j:plain

カンガルーの仲間にも突起があった。これは血管弓骨と同じと言っていいのかわからない。カンガルーの尾は第五の脚と言われているので、鯨類のV字骨(尾を動かす筋肉を支える)と同じ役割をしているのでは?と思っているからです。

カンガルーの尾は第5の“脚” | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

有袋類には前恥骨という育児嚢を支える骨もあります。

標本は語る (参考「第2部 展示解説 動物界 哺乳類の多様性と標本から読み取ること」)

 

 

 

骨の基本的なパーツを頭に入れて標本を作ると思いますが、体の中には細かい骨がいっぱいある。耳の中にある耳小骨や指と指の間にある種子骨など小さな骨がたくさんある。

私はメスには陰茎骨のようなものはないとばかり思っていたが、「陰核骨が存在する」とキリンの8番目の首の骨を発見された郡司芽久さんがおっしゃっており、その研究論文が紹介されていたので、ここでも紹介します。

The baubellum is more developmentally and evolutionarily labile than the baculum

 

 

【鯨類の骨盤骨やマッコウクジラの歯、V字骨

 

「骨盤(寛骨)」

 鯨類には後ろ脚の痕跡の骨盤が筋肉中に埋まっています。なので鯨類の骨を見る前までに見てきた動物達の後ろ脚と違って、骨と骨とで関節していません。

f:id:honebeya206:20190408180011j:plain

写真がブレブレですが、半身になったマッコウクジラの骨盤が鉄でぶら下げられています。他の鯨類にも骨盤がついています。決して「どこにつければ良いのか分からない骨」ではありません。

*鯨類の骨盤を専門に研究している方の論文が出てきたので、URLを載せます。簡単に骨盤について説明してあるので参考にしてほしいです。

www.jstage.jst.go.jp

 

マッコウクジラの歯」

マッコウクジラは下顎にしか歯がないのだとばかり思っていましたが、上顎にもあるようで、下顎の歯とは違い丸まっているので寄生虫のようでした。でも、歯です。

f:id:honebeya206:20190408181308j:plain

何故丸まっているのでしょう・・・?不思議。

 

「V字骨」

ずっと陸性哺乳類の骨を見ていたのでV字骨という骨があることが衝撃でした。尾を動かす筋肉をつけるのに重要な骨だそうです。

f:id:honebeya206:20190408181839j:plain

下に出っ張っているのがV字骨。これがあるところから尾椎になります。そして尾椎の始まり付近に骨盤があります(写真右下で見切れている骨)。

 

一般社団法人小笠原ホエールウォッチング協会さんの記事で鯨類の骨について簡単に紹介されているので載せておきます。

http://www.owa1989.com/admin/wp-content/uploads/047.pdf

 

 

今回は見逃しがちな骨について書きましたが、次行った報告は詳細な説明を書けたらなと考えています。

会場内は混雑しているので標本を見るので疲れてしまうので、音声ガイドを聞くか、図録を購入して時間がある時に内容を把握することをオススメします。

 

【最後に】

ブログを書くのに調べながら書いています。クジラについて検索していたら、鎌倉で打ちあがったシロナガスクジラについての報告を発見したので共有したいです。

http://nh.kanagawa-museum.jp/files/data/pdf/tobira/24-4/tobira93_3taru.pdf

「自然科学のとびら」は神奈川県立生命の星・地球博物館の「研究活動・資料」から過去のものまで閲覧できるので、興味ある方はこちらもご覧になってください。

神奈川県立生命の星・地球博物館

 

 

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

【宣伝】

デザインフェスタvol.49 5/18(土)、5/19(日)出展。場所:F-122

骨のある部屋@デザフェス両日F122 (@honebeya206) | Twitter

----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------

大哺乳類展2 感想や見てほしいところなど

昨日は本日から6/16まで上野の国立科学博物館で開催される大哺乳類展2の内覧会に行ってました。そして、興奮し過ぎて頭痛でダウンしてました(笑)展示準備期間中にどんな標本が並ぶか見て観察したのに、解説のパネル等が設置された状態で見る標本は輝き方が違い、連日見ていた標本なのに「まだゆっくり観察したい」と強く思っていました。

国立科学博物館の特別展はいつも混んでいるので、パネルを真面目に読んでいると第一会場の半分もいかないところで疲れて、第2会場の展示は標本眺めるだけになってしまっていました。
今回はパネルが少ないので勉強目的だと残念ですが、その分標本をゆっくり観察してほしいです。私のオススメ観察ポイントは「剥製の縫い目」です。
展示準備期間中に標本を眺めていたら剥製の縫い目に目がとまりました。剥製の縫い目なんて観察できる機会あまりないですよね?今回の展示では横腹が見やすい剥製、お尻が見やすい剥製‥色々な角度から見えるので、縫い目がどう入っているのか見るのも楽しいと思います。
f:id:honebeya206:20190321224756j:plain


剥製と同じように骨格標本も多いので、何か1つ観察したい骨を決めて探すと形の違い等に気がつけるかもしれません。私はざっくりと陰茎骨をつけてる標本がないか探してました。陰茎骨は後半の方に展示されていますが、全身の骨(交連骨格)にもついてるので、それを探してる時はウォーリーを探せ気分でした。
f:id:honebeya206:20190321224818j:plain

きっと会場内は混んでいるので音声ガイドを聴きながら進むことをオススメします。並びながら音声ガイドを聴いて、パネル読む時間を短縮して少しでも標本を観察してほしいです。音声ガイドで案内されないパネルは是非読んで下さい。標本を観察するポイントの助けとなるハズです。そして、最後のミュージアムショップで図録を購入すると、より深く動物のことを理解できるのではないでしょうか。
下の写真に大きく写る頭骨に秘められた秘密は会場のパネルでは紹介されてません!!図録を手に入れた者のみ知れる秘密です。
f:id:honebeya206:20190321224955j:plain
f:id:honebeya206:20190321225019j:plain

私は内覧会だけでは時間が足りなかったので、図録で予習してから大哺乳類展2に行きます。楽しみー。



【5/18(土)、5/19(日)に国際展示場で開催するデザインフェスタに両日ともF122で展示販売するのでよかったら来て下さい。】

皮剥ぎから骨になるまでの過程をあまり載せない理由

 動物から骨がどうやって取り出されていくか気になる方はいると思う。筋の付き方や内臓の位置や脂肪の量など、生でしか学べない部分はたくさんある。ニワトリを骨にする途中、将来卵となる小さな卵が体の中に無数にあることに驚き、硬い殻に覆われる前の卵の膜の存在に感動した。この感動したことを共有したいと強く思った。けれど、私は写真をネット上に載せないのは、悪意を持って勝手に写真を使われたくないからだ。

 

 ちょっと前にTwitterで拡散されている文に人の体が著しく損傷した写真を載せて、不特定多数の人に精神的ダメージ負わせている人がいて、それも結構執拗にやっていた。私はその写真を全部チェックした。その写真の中に撮ること自体が故意に感じる写真もあったが、現状を伝える記録として撮ったのではないかと思うような写真もあった。

 嫌がらせのために使っている写真は、本当はどんな意味を込められて撮られたものなんだろうかと考えると、悲しい気持ちになった。本当はどんな想いが込められていたのだろうか。

 

 写真はいくらでも加工できる。最近撮られたものなのに過去に撮られたものとすることも、その逆もできる。都合の良いように切り貼りすることもできる。「加工されたもの」と証明されるより前に「これは悪だ」と受け取られ拡散されたら収拾がつかない。疑ったらキリがないけれど、私は連続ドラマ「まんぷく」の萬平さんの「みんなが美味しいと言うスープを作る」と言ったように「みんながそうなっていたのか」と言えるような写真と説明にならない限り、載せたくない。

 

 学部生時代にお世話になっていた先生は「骨の写真も載せない!」と言っていた。面白いことに、その先生と犬猿の仲の先生も写真のことだけは意見が一致していた。恩師の機嫌を取るには「(不仲の)〇〇先生が作るテストは問題が悪い」と話題にするだけで平穏に過ごせるほどだった。

 

 人の受け取り方は様々で、あるスーパーの宣伝文句に「ないものはない」と書いてあった。スーパーなので「なんでも揃っています」という意味なはずだが、意地悪く受け取ると「棚になかったらないよ、諦めて」とも見える。

 写真一つの受け取り方が分からないからこそ、今はまだ慎重になっていたい。

f:id:honebeya206:20190309221853j:plain

 

嗅覚とラット

 現在、「嗅覚はどう進化してきたか 生き物たちの匂いの世界(新村芳向著)」の本を読んでいる。これまで嗅覚に興味を持つことはなかったのに、図書館でこの本を借りたのは、死臭に囲まれて生活している私の嗅覚について気になっていたからだと思う。

 今回紹介したいのはヒトの嗅覚についてではなく、ラットの嗅覚について紹介したい。本を読むと記憶に残る点が出てくる。それが今回はラットについてだった。

f:id:honebeya206:20190219102643j:plain

 

 本を読み進めていくと動物がもつ嗅覚受容体遺伝子数を比較したグラフがp77にまとめられている。

 そこには一部を抜粋して書くと「ヒト:398」、「イヌ:811」、「ミンククジラ:60」、「アフリカゾウ:1948」、「ラット:1207」とあった。私はイヌを基準に考えて、「ヒトはイヌよりも嗅覚受容体が少ないのはわかる。ミンククジラは水中で生活しているから臭いでコミュニケーションをとっていないだろうからわかる。ゾウは音に敏感だし様々な方法でコミュニケーションをとっていそうだから納得。ラットはイヌよりも小さいのにそんなに嗅覚が良いの!?そこまで臭いがコミュニケーションに重要なの!?」と衝撃を受けた。

 

 思い返せば数年前、よく地雷や戦争についてのメディアに触れることが多く、テレビ番組か私立高校のポスター発表かどちらかで「地雷を除去するラット」を紹介していた。「ラットは嗅覚が鋭く、体重が軽いから地雷を除去するのに適している」と言っていたのを思い出した。以下に載せる記事にラットの力を利用した地雷除去について詳しく書いてあるので見てほしい。

https://www.borderless-japan.com/magazine/socialbusinesslabo/7023/

 

 地雷除去の記事にもあるようにラットは賢い。Youtubeに芸をするラットの動画があった。見入ってしまうほど本当に賢い。そして可愛い。ちなみにネコだって教えれば「お手」をする。芸をするのはイヌだけではない。

 

www.youtube.com

 

 ラットは実験動物として広まっているので、その能力について幅広く研究されるので、ヒーローや賢い動物として能力が過小評価されることがなくなってきているように思う。しかし、他の動物だって人間が知らないだけで隠れた能力を持っているかもしれない。「~はこうだ」と決めつけるのではなく、広い視野を持って動物を見たい。

 

「専門バカ」はなぜダメなのか

 ある学生から、「他大学の大学院を受けるために、希望する研究室の教授に話を聞いてきた人」の話を聞いた。その学生は先生から「専門バカはいらない」と言われたそうだ。

 私はそれを聞いて「鳥類学者の川上先生のように、映画やアニメにも関心がなければ一般の人に研究内容を話す時に惹きこめないから?友達といても同じ話題ばかりより、色んな話をしていた方が楽しいから、人付き合いのために必要なのかな?」などと考えていた。

 

 そんな話をしていたことも忘れるくらい日が経ってから出会った本に「専門バカ」じゃダメな理由を見つけた(と思ってる)。

 その本は「ペンギンもクジラも秒速2メートルで泳ぐ ハイテク海洋動物学への招待(佐藤克文 著)」というタイトルの本で、研究内容の話だけではなく、研究生活で体験した人の考え方の違いや、南極観測の歴史(ちょっとだけ)についても書いてあって、飽きずに読めた本だった。

 

 

 

 佐藤さんはウミガメとペンギンの水中にいる時の体温の変化について研究していた。爬虫類は変温動物で鳥類は恒温動物と聞いたことがあると思う。しかし、これは水中では爬虫類が恒温動物(厳密に書くと定温動物)で鳥類が変温動物になってしまうそう(*胃内温度測定の結果)。ウミガメとペンギンの体温の変化を佐藤さんは下記のように説明していた。

 

【ウミガメ】p22くらいに書いてあった

 水中で定温動物だったのは、体内で生み出される代謝熱を使って体温を水温よりも高く維持していたため。

 寒い日に温かい小さな缶と温かい大きな缶を放置すると、小さい方が先に冷たくなる。体サイズが大きなカメほど熱の逃げる速度が遅いため、体温を水温より高く維持できる。

 

【ペンギン】p36くらいに書いてあった

 潜水するには酸素消費を抑える必要があり、よく動かすヒレは酸素を必要とするが、胃は運動には必要ないのでそこに酸素を持ってくる必要はない。酸素消費量節約のため腹腔内の温度を下げている。

 

 このように研究で得られた結果を説明するのに生理学の話だけでなく、物理学の話を持ち出していた。この他にもペンギンの潜水深度に応じて吸い込む空気量の変化についてボイルの法則を持ち出して説明していた。詳しくは本を読んでほしい。

 きっと私がウミガメとペンギンの研究をしていたら、物理学を持ち出して結果を説明することが出来なかっただろう。「専門バカ」ではダメな理由は「研究の結果を正しいと思わせるように考察するために、色んな引き出しを持ちなさい」という意味だと感じた。

 

 ある政治家が「〇〇なんて生活の中で使わない」と少し前に発言したそうだ。私も中学生の時に「生きてて使わないのになんで勉強するのだろう」と不満を漏らしていた。佐藤さんの本を読んで「「使わない」のではなく、「知らないから使えない」、使えないのを使わないと錯覚しているだけなのでは」と考えるようになった。今も自分の認知できない範囲で、世の中は面白い法則で満たされているのだろうか。

f:id:honebeya206:20190205095241j:plain

 

最近の作業

他の動物の骨の脂抜きをしている間に次の骨作りを。スズメを骨にするために皮剥いて乾燥させて‥等々をやっていました。


f:id:honebeya206:20190113235410j:plain
翼から骨抜きを無謀にもやったのですが、やっぱり小さい動物は難しい。サギの翼を乾燥させた時のようにはいかないです。針金なんて入れたら、スズメの翼に穴が開きそう。

綿を詰めて縫って、ピンで形を固定して、乾燥させて‥と、色々な作業を経てやっと触れるものに。皮剥きから固定まで1羽に対して4時間くらいかかりました‥。
f:id:honebeya206:20190113235950j:plain
骨を全部抜いてるので、見た目がやっぱり悪くなってしまう。まだまだ勉強が必要です。

羽が出来ても、骨はまだまだ組み立てられない。