骨のある部屋

@honebeya206

歯から動物を判明させる

一見同じように見える動物でも骨や歯をじっくり観察すると何の動物だか分かることがある。

大学の研究室に所属していた時に先輩からアルコール浸け保存されていたネズミをいただいた。そのネズミは腐敗が進んでいて全身の毛が抜け落ちてヌードマウスのようで、筋肉が分解されていたのか全く無く潤いのあるミイラだった。ただでさえ、小型のげっ歯類は皆同じ見た目なのに、これではもう分からない。

 

途方に暮れていた時に、フクロウの研究をしていた先輩が歯からネズミを同定していたことを思い出し、骨にしてから歯を観察することにした。

骨にしたネズミの1.5cmあるかないかぐらいの下顎はとても見にくかった。種類を判別するために「リス・ネズミハンドブック 文一総合出版」の写真と下顎を肉眼で観察した。1時間くらい悩んだが小さすぎて分からない。

分からなかったことをここに書こうと写真を撮り、編集するために拡大したら分かった。最初から写真で拡大すれば良かった。

 

問題のネズミ左の黄緑色の帯状にある写真で、右が歯の形状の違いを示すためにラットの下顎を載せた。

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左の歯がブラシ状になっているのはハタネズミだ…と思う。ハンドブックの写真と見比べてみても似ているのでたぶんそう。

 

歯から動物が同定できるのは面白いと感じるが、ハンドブックを眺めていると違いが分からない歯もあるので、体の計測値や採取場所の環境などのデータを複合して判断するのが適切かな?