骨のある部屋

@honebeya206

骨の縫合の話 2

縫合の話で私が面白いと感じていることに、縫合で動物の年齢を推定しようとする研究や、縫合から年齢が推定できる手法を用いて新たな研究が行われていることがあります。

その例として「加藤卓也.2012.神奈川県の野生化アライグマにおける繁殖生物学的特性:メスの出産時期は初産にどのような影響を与えるか?.日獣生大研報61,10-15」や「永山雅・姉崎智子.2011.ハクビシンの犬歯に形成されるセメント質年輪と頭蓋骨,四肢骨,寛骨癒合状況の関係.群馬県立自然史博物館研究報告(15),181-187」を読むと縫合を用いて研究していることがうかがえると思う。この論文は誰でも閲覧が可能だったので紹介しました。タイトルを入力して検索するとすぐに出てきます。

 

他にも縫合について検索していたところ、「高橋啓一・薄井重雄・落合啓二.2014.ニホンジカ冠状縫合の性差と個体成長ーシカ化石の分類のための基礎研究ー.千葉県立中央博自然誌研究報告13(1),1-27」に載っている図1を見ていて思い出したことがあります(この論文のp3にも書いてあることですが)。この論文も誰でも閲覧が可能です。

私が骨の勉強をする前に大学の先生から「頭蓋骨の縫合は年齢と共に複雑化する」と言われたことがありました。動物は下の写真のように縫合が複雑化していくそうです。

f:id:honebeya206:20180828000355j:plain

論文を拡大して図をじっくり眺めていただけると分かると思います。

 

頭骨を見てそれがどんな動物かわかるだけでなく年齢まで推定できることに、また骨の面白さを感じます。