2018_8_22 国立歴史民俗博物館
知人の紹介で国立歴史民俗博物館の企画展「ニッポンおみやげ博物誌。」を観てきました。おみやげが博物館の展示になるなんて思いもしなかった。企画展は撮影不可。
京成佐倉駅から歩いて博物館に行き、存分に夏を感じました。
空が綺麗だなー。
最初に目にするのは日本全国各地のキーホルダーが円状に並べられていて、その展示方法に魅了された。動物の肩甲骨もこうやって並べたら、比較できて面白いんだろうなぁ。
昔のお土産は「旅先の伝統文化を形に残るものとして、お土産話と共に持ち帰る」ものだったそう。昔は今ほど食料品の保存方法が確立されてないから、お土産には扇子やカンザシ、絵葉書などが書かれていた。また印象的だったのが手元に残るコンパクトなお土産として時代と共に、ペナント(三角形の旗)→提灯→通行手形→キーホルダーに変わっていた(展示品の説明文内の年代から推測)。
今はお土産コーナーに行くと食べ物が多い。クッキーやチョコを使ったお菓子は大体どこの地域でも味に違いはないと感じる。それでも食品が多くを占めるのは、それは昔の保存方法の問題だけではなく、形に残るお土産を収納するスペースの問題だったり、旅先で見たこと経験したことの情報はお土産としてではなくネットで拾えるから、残らない物が好まれるのではないかと感じた。
この企画展ではアニメの舞台となった地域を巡る聖地巡礼についても取り上げていた。私が知っていることが歴史になるって不思議。
他にも研究者さんが集めた海外のお土産も展示されていて、その説明がユニークだった。中国のシャンチー(将棋をイメージすると近い)は「遊ぶ相手がいなかった」と書かれていて、他の国のお土産は手芸の作品で「どう見ても手芸教室の失敗品で妻が受け取り拒否」と書かれていた。切ない。
比較が好きな人、集めるのが好きな人は是非、足を運んでほしい。
企画展を観終わった後に常設展に行くためエスカレーターを登ったら、ミュージアムショップにたどり着いた。「あぁ、またこうして人はお土産をみてしまうんだな(地ビール買いました)」。
企画展だけではなく常設展も観てきました。とっても広かったので第一展示室~第五展示室はとばして観てしましました。でも、その中で気になったのが戦国末期の京都の町並みのジオラマ。
街路樹少ないんだね。花壇もないのかー。この時期ドキドキするセミファイナル(セミがひっくり返って死んでるように見せかけて、生きてる状態)はなかったのかな?あ、でも土があるからいたのかな?
現代について展示するっ第六展示室では戦争の事から公害、団地、テレビCMの歴史まで展示していました。
入り口から雰囲気がすごい。
この展示室では紙の資料だけでなく映像を通して過去を知ることができたのがとても良かった。映像資料がほんとに豊富で全部観たら2時間~3時間くらいは掛かりそう。
私が一番見入ったのは伝単というアメリカ軍が日本国民(兵隊さん含め)に配布したビラで、降伏しなさいという内容のビラが展示されていた。
「女子供はこのビラを持って両手を挙げてこちらへ来なさい」
「男性はふんどしで両手をあげてこちらへ」
「生命の保証はしますよ」
伝単を見るまでに見たアメリカ軍との戦いや空襲の記録を観て、「このビラを受け取っても私はアメリカ軍を信用できない」そう感じた。
戦争のこと以外にも印象的な展示は多く、再現した団地に入れたり、白黒で放送されていた文明堂のCM、トリスハイボールのCM(あの四角いおじさんのキャラクターは昔から同じだったんだ)、おそ松さんやひみつのアッコちゃんOP曲が聴けたり、もう本当に盛沢山で1日じゃ足りません。また行きたい。
普通に住めそうな団地の展示。このテーブル懐かしい。埼玉の森林公園の食堂がこんなテーブルだったような・・・?
歴史や文化に興味がある人にオススメなのが「全国の博物館図録コーナー」で、ここでは博物館の図録が販売されていて、新たな博物館の発見と行くことが叶わない博物館の展示物の情報を得られることが素晴らしい。あと、何故か岐阜博物館の「恐竜の脳について」の企画展(?)の図録があった。
千葉県の博物館はジオラマ・映像・音声の資料がすごいね。千葉県立中央博物館も国立歴史民俗博物館と雰囲気が似ているから上野の国立科学博物館とは違う雰囲気を楽しめると思います。
*千葉県立中央博物館も国立歴史民俗博物館もマニアックなお土産あり!子供のおもちゃの広告を集めた本なんて見たことあります?国立歴史民俗博物館で販売されてます。