写真
私は大きくて高価なカメラを持っていない。たまにメモリーカードを読み込まなくなるようなご機嫌斜めな小さなデジタルカメラとスマフォを大事にしている。「すごく綺麗に撮りたい」と思ったことは今のところない。ほとんどの写真はスマフォに頑張ってもらっている。
でも、ごくたまに遠くをキレイに撮れるカメラがほしくなったりする。遠くにいる鳥はさすがにスマフォでは難しい。
「デジカメで撮らないの?」って?鳥を見に行ってるのに、双眼鏡+デジカメを首に提げるのは重いよ。
スマフォでも遠くを撮る方法がある。それは双眼鏡の接眼レンズにスマフォのカメラを近づけるとできる。
こんな感じに…
小窓から覗いてるような写真になる。
この撮り方はちょっと難しい。ピントが合わなかったり、中心がズレたり、カメラと格闘していると対象がいなくなることはよくある。でも、苦労して撮れた時は嬉しい。
たぶんこれは、双眼鏡で撮ったものをスマフォでトリミングしたもの。結構キレイに撮れてると思う。
収蔵庫
多くの標本を収蔵している収蔵庫の見学を何度かしている。数えると5ヶ所。
館ごとに特色があるように感じる。「標本」と聞いて思い浮かべるような標本ばかりを収蔵するところや、それ以外のものを収蔵する館もある。このそれ以外の収蔵物が面白い。
後ろ足で立ち、洋服を着て、黄色帽子を被ったタヌキとアライグマの剥製があった。見た目は完全に幼稚園児だった。「これが標本なのか」と驚いたけど、「昔はお土産屋さんの前にあったらしいよ」と学芸員さんに言われ、「昔あった事の事実を残すために必要な標本」ということに気づかされた。この標本がどこにも残っていなかったら、「あった事」が無かったことになってしまう。
骨や標本から過去を見ようとする私は、過去が無くなって取り戻せなくなることを恐れる。
いつかこの写真も昔を知るのに必要になるのかな。
私なりの羽から骨を取る方法(翼標本)
鳥の翼はキレイ。ですが、骨にするときはそこは残さない。勿体ない。骨に羽つけた骨格にする?そうなると翼以外の羽はどうなるの?ということで意地で翼から骨を抜き、翼から頭、尾まで羽を残してます。翼から骨を抜く過程を以下に書いていくので、グロ画像が苦手な方は見ないでください。
【対象動物と状態】
脚の先端が黄色ではなく真っ黒だったため、コサギ以外のサギ類が今回剥いた動物です。頭と左翼がなく、胸骨も割られていました。なので今回は右翼のみを羽残しにかかります。
ちょっとグロっぽい部分を白くしていますが、なんとなく状態がわかりますか?
【翼の切り離し】
肩羽という肩にある羽を含めて上腕骨を胴体から分離します。私はまだまだ下手なので、後でいじれるように多めに切りました。
今見えている骨は上腕骨です。
【上腕骨を外す】
私は肩から肘までは筒剥きにします。後で縫うのが大変だからです。肩かた切れ込みを入れるかそうでないかはお任せします。
上腕骨の近位端(胴体側)から橈骨・尺骨のはじまり(肘)まで皮を剥きます。皮は下の写真の青い点線を狙ってメスを軽く押しあてます。皮と肉の隙間にこだわると穴が開きます。メスで切りながらたまに皮を引っ張ると剥けていきます。
肘まで剥けてきました(下写真)。関節を外します。緑の矢印の先に見える白い帯状の靭帯や肉を切ります。骨の形を想像しながら刃を入れて下さい。
骨を外すとこんな感じ。
上腕骨が外れたら皮を元の状態に戻しましょう。
【橈骨・尺骨の外し方】
緑矢印のあたりから手根中手骨(人でいうと手の甲)まで皮を切ります。矢印の先端は橈骨・尺骨の途中からですが、橈骨・尺骨の近位端から切らないのは少しでも縫いたくないからです。
皮を切る時に羽を切らないよう羽をかき分けておきましょう。
上から見て中が露出するまで皮を剥きます(下写真)。そうしたら橈骨・尺骨の近位端を出す作業になります。
皮を脱がすように指で押しながら引っ張ると剥けます。この時は「皮、頑張れ。」と心の中で声かけしながら剥きました。
あとちょっと。頑張れ。
はい、頑張りました(下写真)。
ここからは羽がついてる部分に入ります。背面は皮が剥けていないので、羽の付着部位まで皮を全て剥きます。次に橈骨・尺骨の近位端から羽の付着部位を切ります。付着部位は皮に穴を開けないためにメスの刃先を骨に向けて斜めに切りましょう。上写真の矢印がさす、肉と皮の境界を切っていくことになります。
これは剥いている途中の画像です。
上写真の矢印先端の白い突起が見えますか?これを切ると骨と皮が分離できます。少し硬いですが勇気をだして切って下さい。イメージとしては骨に羽軸が刺さっていると考えて切断しましょう。
剥けるとこんな感じに(下写真)。
【橈骨・尺骨の分離】
骨が大きく作業に支障がでるので関節で外します。小鳥の場合は外さなくても大丈夫。
上腕骨と同様に矢印の靭帯や腱、肉を切って分離します。背骨の骨ほど入り組んだ関節をしていないので刃が入りやすいと思います。作業する前に骨の形を確認することをオススメします。
はい、分離しました。
【手根中手骨、第1指、第3指】
これまで同様、地肌が見える位置に切れ込みを入れます。先端まで切って下さい。
ここから切るのがしんどくなります。
背面以外は哺乳類の皮を剥くような感覚ですが、背面には羽が待ち構えています。下写真の矢印の先に羽があるのですが、見えますかね?骨に羽軸が並列しています。
下写真の丸が羽軸です。
ぶれてた!
骨と羽軸の間に刃を入れると皮を分離できます。羽軸がない皮を剥く→羽軸と骨の間に刃を入れる→羽軸がない皮を剥く→羽軸と骨の間に刃を入れるを繰り返して第1指まで剥きます。
第1指も羽軸が先ほどと同じ状態なので、先端まで同様に剥きます。
第1指の先端に羽軸が刺さるようにあります。骨の色と羽軸の色の境界を見極めて切ります。でも、私はいつも自信がないので、気持ち骨寄りを切ってます。
なんとなく先端の方が赤い?
まだ羽軸があるので骨と羽軸の間を剥がします。第3指も忘れずに分離してください。これを剥がすと残りは第2指です。
【第2指(先端)】
また羽をかき分けて皮に切れ込みを。
上から見えている部分の皮を剥き、背面へ。
また羽軸が待ってます。骨と羽の間に刃を入れましょう。
こうやって剥いていくと第2指の先端にいきつきます。
先端の背側に羽軸があるので、骨の羽軸の間に刃を。第2指の先端は第1指と同じように切ります。
これで分離できたはずです。もし、骨を取り忘れても羽を捨てることがない限り探せますね。お疲れ様でした。
羽軸がどうなっているか分かれば剥けると思います。
【羽軸】
刺さっている形:尺骨
骨と連結:第1指の先端と第2指の先端
並列:第1指背側、第2指の背側、手根中手骨
今回は骨を取るところまでです。縫うのは目も当てられないほど下手だったのでもっと上手くなってからにします。
「ここ詳しく!」!等、コメントがありましたらTwitterアカウントにお願いします。
羽軸の刺さり方に気が付いた失敗談があるので11/11のデザインフェスタ(ブース番号:F-9)でお話できると嬉しいです!
https://twitter.com/honebeya206
デザフェス準備 7
着々と準備出来てます。
ただ、持っていく予定の骨を多くし過ぎている気がしてリュックやキャリーケースに入るか不安です。
写真の骨はデザフェスで展示するものの一部です。
意味がありそうな並びに見えますか?
何の意味も込めてません。ただ並べました。
これは、交通事故で亡くなったハクビシンの骨です。見つけた時はミイラ化していて、無くなっている骨も多いです。
このような骨でも、一つ一つ手にとって見ると発見もあります。他の動物とは違う部分が見えてきます。
先ほど何も意味は無いと書きましたが!「何の意味があるのだろう?」と見てもらうことが、この並べた骨の意味だと、骨をボンドで貼り付けながら思いました。